E=mc2/専門家に確認


専門家に確認してみる

完璧に的外れな妄言を吐いているかもしれないので内山龍雄先生の教科書で確認してみる
ただし,上記は改訂版だが私の手元にあるのは岩波全書版なので少し違っているかもしれない

教科書の第16節「エネルギーおよび運動量」で E=mc2 を導出している
この節にはここの wiki に関連した記述が多くあるのでいくつか引用してみる

E と m は比例するか

まず運動方程式を時間で積分して E=mc2 を導出している
これは E と m は時間の関数であって E(t) = m(t) c2 を意味する
つまり E と m は比例することを示している

エネルギーは保存するか

次のようにも述べている
周知のように,すべての種類のエネルギーの総和は時間がたっても一定である
ここではエネルギー保存則を前提として相対論を構築している
つまりエネルギー以外のものがエネルギーに変わることはない
ちなみに,対消滅のように静止エネルギーが別のエネルギーに変わることはある
詳しくは「対消滅」で議論する

熱くなると質量が増えるか

次のようにも述べている(一部省略)
エネルギーW(その種類はなんでもよい)が存在すれば,それは必ずW/c2という静止質量をもつということになる.例えば1個の静止している鉄の塊りの質量は,それが高温なほど大きいということになる.なぜなら高温なものほど,その内部エネルギー(熱エネルギー)が多く,低温なものに比べて(内部エネルギーの差)/c2 だけ質量が大きい.
鉄の塊りを熱すると静止質量が増えると述べている
ここでもエネルギーと質量が比例している

質量欠損部分はエネルギーに変わったのか

質量欠損について数式を用いて解説している
そのまま引用すると長くなるので簡単に要約してみる
もとの文章では運動エネルギーも考慮されているがここでは省略する

重水素核は陽子と中性子が核力によって結合された粒子である
しかし以下の不等式が成立する
重水素核の質量 < 陽子の質量 + 中性子の質量
この差が質量欠損であり次の式が成立する
質量欠損 = 陽子と中性子が結合して低くなったポテンシャルエネルギー / c2
つまり陽子と中性子が結合してエネルギーが少なくなった分だけ質量が減ると述べている
ここでもエネルギーと質量が比例している

対生成でエネルギーが質量に変化するか

対生成についても述べている(ここででてくるガンマ線とは高エネルギーの光のことです)
物質に高エネルギーのγ(ガンマ)線をあてると,物質中の原子核の近所で,γ線の持っていたエネルギーは陽電子 e+ と電子 e- の一対をつくる.すなわち
γ → e+ + e-
(中略)光から物質への転換がおこりうるということになる.
ここでは質量に関する記述はないが,上の反応の前後でエネルギー保存則が成立するという前提で話を進めている
ちなみにこれは光エネルギーが静止エネルギーに変化したのであってエネルギーが質量に変化したわけではない
詳しくは「対消滅」で議論する

質量は保存するのか

教科書には質量保存則についての直接の言及はない
しかし以下のことに言及しているから,これから質量保存則も導ける
  • エネルギー保存則が成立する
  • ある系の全エネルギーは構成物の静止エネルギー,運動エネルギー,ポテンシャルエネルギーを加えたものだ
  • ある系の静止質量は,全エネルギー/c2 である

結論

内山先生の本を見て次のことが確認できた
  • E と m は比例する
  • エネルギーは保存する
  • 質量は保存する

エネルギーが質量に変わるかどうかについては言及はないが,質問すれば次のように答えてくれるかもしれない
  • 私の本を読んで理解できなければ相対性理論はあきらめるべきであろう

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  • 最終更新:2017-02-02 04:10:44

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